陽光が柔らかさを増す4月ころに

地面から一斉に小さな頭をのぞかせるツクシの赤ちゃん達

筆のような頭が土の中から出てくることから土筆と書き

突く突く伸びてくるから…突く子…つくし…と呼ばれると聞いたことがあります

 

かつてつくし摘みは、お弁当を持って家族総出の遠足。春の風物詩でした

夢中で籠いっぱいに摘んで、頭を取り、はかまを取り

持ち帰った茎を母は天婦羅にしたり、お浸し、つくだ煮を作りました

子供には全く美味しくない春の山菜が

どうして大人たちには美味しいのか…不思議だったのを覚えています

父も亡くなり  母も亡くなり

いつの頃からか行くことはなくなりましたが

地面いっぱいに広がったその姿を見るたび

楽しかった記憶は鮮明に蘇ります

明るい陽光

頬をなでる風

草の匂い

土の感触

全身で五感で感じていた春の訪れ

いまの子供たちは春をどこで感じているのでしょう